資産形成とローンの関係

マネーマインド

はじめに

資産形成というと、「何を買うか」「どう増やすか」という投資の話に目が向きがちです。でも実は、「借りたお金とどう付き合うか」も資産形成において同じくらい大事な視点だと思っています。

今回は、私が2年前に車を購入した時の話を通して、資産形成とローンの関係について考えてみたいと思います。

もともとは、現金一括で買うつもりだった

私自身、過去に借金返済で苦労した経験があり、「ローンという仕組み自体にはできるだけ近づきたくない」という気持ちがあります。

そのため、今回の車購入も、当初は現金一括で買うつもりで生活防衛資金とは別枠で、車購入用として貯めていたお金です。

生活防衛資金以外の現金はあまり持たない、フルベットに近いスタイルで資産形成をしている中での、数少ない「現金の置き場」だったとも言えます。

それでも、あえて半分ローンにした理由

生活防衛資金とは別に、この現金一括で購入できる状況ではありましたが、あえて半分は現金、半分はローン(10年返済・利率2.5%)を組みました。

「お金がなかったからローンを組んだ」のではなく、「半分はローンを選んだ」という点が今回のポイントです。

なぜそうしたのか、理由は大きく2つあります。

1つは、長期のインデックス投資には、年率3〜7%程度のリターンを期待しているということ。ローン金利2.5%との差を考えると、投資に回す方が合理的だと判断しました。

ただし、ここは注意が必要です。
ローン金利2.5%は10年間確実に発生する固定コストである一方、株式の期待リターンはあくまで「ブレを伴う平均値」に過ぎません。
「期待リターン − 金利 = 確実な利益」ではなく、暴落のタイミング次第では10年間のリターンが金利を下回る可能性も十分あります。
それでも私は、そのリスクを引き受けてでも資金を投資に回す価値があると判断した、ということになります。

もう1つは、お金の価値は長期的に目減りしていく、という考え方です。
今日の100万円と10年後の100万円では、実質的な価値が違います。
この点は、固定金利か変動金利か、インフレ率、所得の伸び、投資リターン、税金など、複数の要素が絡む話ではありますが、
大枠として「固定金利のローンであれば、インフレによって将来的な返済額の実質的な負担が相対的に軽くなる可能性がある」
という考え方が、判断の一つの軸になっています。

では、なぜ全額ローンにしなかったのか

ここまで読むと、「じゃあ全額ローンにすればもっと投資に回せたのでは?」と思われるかもしれませんが、私は手取り収入を・固定費・変動費・資産形成費の3つ分けています。

そして資産形成費は25%です、それを必ず確保するために変動費でカバーするようにしています。

毎月の固定費が大きくなると変動費が減りこの25%ルールを守ることが難しくなる恐れがあり、資産形成のペースを崩してまでローンを最大化するのは、本末転倒だと考えました。

数字上の合理性だけでなく、もともとローンに近づきたくないという自分の性格や過去の経験も踏まえた上で、「半分ローン」という着地点を選びました。

なお、車という資産は購入直後から価値が下がっていく性質があるため、長期のローンを組むこと自体にもリスクはあります(万が一の事故や早期の乗り換え時に、ローン残高が売却価値を上回る状態になり得る等)。
今回はそこまで踏み込みませんが、頭の片隅には置いておきたい視点です。

※生活防衛資金をいくら確保しているか、資産形成費はなぜ25%なのか、という話は、また別の記事で取り上げようと思います。

最後に


  • 金利と期待リターンの差だけでなく、自分の資産形成ルールを守れるかどうかも判断材料にする
  • 期待リターンは不確実、ローン金利は確定コストという非対称性を忘れない
  • 過去の経験からくる自分の性格傾向も、無視せず織り込む
  • 「借りるか借りないか」ではなく「どれくらい借りるか」というバランスの取り方もある

今回の車購入の例が、皆さんの資産形成における負債との付き合い方を考えるきっかけになれば嬉しいです。


免責事項

※本記事は、私自身の資産形成における考え方や体験を共有することを目的としたものであり、特定の金融商品・借入方法を推奨するものではありません。

※記事中の金利・返済期間・期待リターン等の数値は、私個人の判断や一般的な目安として用いたものであり、将来の成果や条件を保証するものではありません。

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