※本記事は、2026年3月期本決算記事の内容を前提に、2027年3月期第1四半期決算の実績を追跡・振り返るフォローアップ記事です。数値は速報値であり、監査法人のレビューを受けていない点にご留意ください。
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本決算の採点サマリー
総合評価 S
財務健全性 SS
収益性 A
配当・株主還元 A
※上記は2026年3月期本決算時点で確定した評価です。今回の四半期実績によって評価を変更するものではありません。
本決算の詳しい分析はこちらの記事で解説しています👇

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今回の四半期実績
2027年3月期 第1四半期(2026年4月1日〜2026年6月30日)
| 項目 | 前年同期 | 今回 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|
| 受注高(連結) | 304億円 | 336億円 | +10.6% |
| 売上高(連結) | 202億円 | 240億円 | +18.9% |
| 営業利益(連結) | 14億円 | 28億円 | +92.5% |
| 経常利益(連結) | 15億円 | 29億円 | +90.3% |
| 親会社株主に帰属する四半期純利益 | 10億円 | 19億円 | +86.4% |
受注高・売上高・各利益いずれも前年同期を上回り、増収増益でのスタートとなりました。
経常利益の通期予想99億円に対する進捗率は29.6%で、1Qの目安(25%前後)を上回るペースです。
通期の業績予想・配当予想はいずれも「2026年4月30日公表値から変更なし」とされており、今回の四半期決算による修正はありませんでした。
一点触れておきたいのが、通期の当期純利益予想です。
売上高・営業利益・経常利益はいずれも前期比増収増益の計画である一方、親会社株主に帰属する当期純利益の通期予想は前期比で連結△12.0%の減益となっています。
これは本決算記事でお伝えした「2026年3月期は投資有価証券の売却による特別利益が加わり大幅増益だった」という前年度の状況を踏まえると、今期はその一過性の押し上げ効果がなくなる反動ではないかと考えています。
※この理由づけは決算資料に明記された事実ではなく、管理人の推測です。
1Qの純利益自体は前年同期比+86.4%と好調ですが、通期の姿としては一過性要因が剥落する分、着地は前期より低くなる計画になっている、という点は覚えておきたいポイントです。
セグメント別の動き
連結セグメント利益の内訳を見ると、今回の増益は設備工事業が牽引しています。
| セグメント | 前年同期 | 今回 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 設備工事業 | 11.3億円 | 26.4億円 | +15.1億円 |
| リース事業 | 0.7億円 | 0.7億円 | 横ばい |
| 太陽光発電事業 | 2.2億円 | 1.8億円 | ▲0.4億円 |
| その他・調整額 | 0.4億円 | ▲0.7億円 | ▲1.1億円 |
設備工事業単体(個別)の受注実績を地域別に見ると、四国ほかが216億円→253億円と大きく伸びた一方、首都圏は47億円→33億円と減少しています。
売上高では首都圏・関西圏ともに伸びていますが、これは過去に積み上げた受注残の消化によるものと考えられ、今回の受注の動きとは分けて見る必要がありそうです。
本決算記事では「首都圏・関西圏拡大に伴う人材確保と原価率の変化」を今後の注目点として挙げていましたが、今回の1Qの受注だけを見ると、むしろ四国地盤が牽引した形になっています。
四半期ごとのブレの可能性もあるため断定はできませんが、この点は継続して確認していきたいポイントです。
一方、太陽光発電事業はセグメント利益が前年同期比で約2割減少しました。
決算短信・説明会資料のいずれにも減益の理由についての記載はありません。
参考として、以前のアナリストレポート(2025年12月・FISCO)で、四電工の太陽光発電事業について「出力制御の増加等」による減収減益が指摘されていたのを見つけました。
四国エリアは再エネ供給が需要を上回りやすく、出力制御が発生しやすい地域として知られています。
今回の減益も同じ要因である可能性はありますが、これはあくまで管理人の推測であり、今回の決算資料に明記された事実ではない点にご留意ください。
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今回の動向で気になった点
良かった点として、受注高・売上高・各利益がいずれも前年同期を上回り、増収増益での滑り出しとなったことが挙げられます。
特別利益・特別損失はごく僅少(固定資産売却益0百万円、除却損2百万円のみ)で、前年度にあったような大型の一過性利益は含まれていません。今回の増益は本業の伸びによるものと言え、利益の質としては前年同期より高いと考えています。
一方で気になる点が2つ。
1つ目は、上記の太陽光発電事業の減益です。理由が開示されていない点も含め、今後の決算での説明を注視したいところです。
2つ目は、単体受注高における首都圏受注の減少です。「攻めの首都圏拡大」というストーリーに対し、今回の1Qだけを見ると足踏み気味とも読めます。
本決算時点の評価との整合性
本決算時点の評価(総合評価S・財務健全性SS・収益性A・配当株主還元A)と、今回の1Q実績を照らし合わせると、おおむね順調に推移していると見ています。
財務健全性については、自己資本比率が68.4%→72.7%へさらに上昇しており、本決算時点で最高評価だった水準を維持・強化しています。
収益性については、ROE・ROAともに本決算時点で優秀水準でしたが、今回の1Qは特別利益に頼らない本業の伸びで増益となっており、収益の質という観点ではむしろ改善方向にあると考えています。
配当・株主還元については、中期経営指針2030で新たに導入された「配当性向60%程度・DOE5.0%程度」の方針が、2026年度予想の配当性向60.2%という数字にすでに反映されています。
本決算記事では「実績としての定着はこれから」と評価を保留していましたが、初年度の予想数値としては方針どおりの水準に乗ってきています。
一方で、太陽光発電事業の減益と首都圏受注の減少については、総合評価を左右するほどの規模ではないものの、今後の推移を注視したい材料です。
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前回からの継続性
本決算記事で「今後注目したいポイント」として挙げていた3点について、今回の1Q時点での状況を振り返ります。
①中期経営指針2030(売上高1,200億円・営業利益110億円・ROE10.0%)への進捗
→ 営業利益の通期予想94億円に対する進捗率は29.9%と、1Qとしては良好なペースです。【進展】
②「配当性向60%程度・DOE5.0%程度」の新方針が実際どう運用されるか
→ 2026年度の配当予想(連結配当性向60.2%)にすでに反映されており、方針どおりの運用が始まっています。【進展】
③首都圏・関西圏拡大に伴う人材確保と原価率の変化
→ 今回の1Q単体受注高では、首都圏がむしろ減少し、四国地盤の受注が牽引する形になりました。
売上面では首都圏・関西圏も伸びていますが、これは過去の受注残の消化によるものと考えられます。【変化なし〜要観察】
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参考:株価動向
取得日:2026年7月31日
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| PER(会社予想ベース) | 14.2倍 |
| PBR(実績) | 1.32倍 |
| 配当利回り(予想) | 4.24% |
※本決算記事の「参考:株価水準」もあわせて参照ください。
※出典:株予報Pro(2026年7月29日時点データ)
【ちび助のひとり言】
PERもPBRも本決算のときとそこまで大きくは変わってないなぁという印象。
現在はレンジ相場なのかな!? 利回りで4.5%より上なら買い増しを考えるかなぁ~。
管理人まとめ
今回の四電工の1Q決算は、受注高・売上高・各利益がいずれも前年同期を上回る、増収増益での滑り出しとなりました。
特に、特別利益にほとんど頼らず本業の伸びで増益を達成した点は、本決算時点の評価をさらに裏付ける内容だったと考えています。
一方で、通期の当期純利益予想が前期比で減益計画になっている点は、前年度にあった一過性の特別利益の反動と見ており、今期の実力を測るうえでは営業利益・経常利益の伸びの方を重視して見ていきたいところです。
太陽光発電事業の減益、首都圏受注の減少については、いずれも決算資料から理由を読み取ることはできませんでした。
今の時点で懸念視するほどの規模ではありませんが、次回以降の決算でどう推移するかは引き続き確認していきます。
中期経営指針2030で掲げた成長目標、そして新しい株主還元方針の運用は、いずれも初年度としては順調な滑り出しに見えます。
最後に一言。今回の1Qを一言で表すなら「地に足のついた増収増益、影は小さく」といったところです。
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参考資料
・株式会社四電工「2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」
・株式会社四電工「2026年度第1四半期 決算説明資料」
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免責事項
※本記事は、株式会社四電工が公開しているIR資料(決算短信・決算説明資料)をもとに、管理人が独自の視点で作成した速報的な振り返り記事です。
※数値は監査法人のレビューを受けていない速報値です。
※内容には十分注意していますが、数値の転記・計算ミス等がある可能性があります。
※投資判断は、ご自身の責任において行っていただきますようお願いいたします。


